言の葉の庭

ブログなど文を書くものには見ておきたい言葉関係のことだと、甘い考えを持った私はこの作品を選んだ。

雨の電車に揺れながら始まり、新宿駅を降りて、空を見上げる男子高校生タカオ。そんな彼が向かった先は高校では無く、庭園。切符を買って改札口を潜り、向かったのは東屋。しかし、その場所には先客のOLさん「ユキノ」。朝からビールを飲んで、雨宿りで休んでいると言うより、サボっている。タカオはスケッチブックを取り出し、絵を書き出す。少しユキノの方を見ながら、そして一言「どっかでお会いしたことありますか?」。しかし、ユキノは「あっているかも、鳴神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ」と小言で言う。そんなあるタカオは家で、料理しながら、兄が夏から彼女と同居暮しを始める話をする。その後で靴を作る。引越しのお手伝いを終えて、立ち去る時に兄は彼女にタカオが穿いている靴は自分の作品だと話す。そして、雨の日にだけ庭園に通う。そして女性とお互いの事を話し合う日々。ユキノお弁当のおかずを摘み食いすると、不味い弁当を作ってくる。その夜、ユキノはある決心を決めて男の人と電話をしていた。雨の日の庭園、将来靴職人になりたくてスケッチブックに、靴を描いていることを知るユキノ。ユキノがその事を知っていたので、弁当のお礼に靴の本を貰う。女性の足を知るために、ユキノの脚の計測をするタカオ。そんな2人の東屋。夏になって、夏休みになると晴れの日でもユキノは庭園に、タカオは居酒屋バイトと靴の材料を買いに行っていた。夏休み明けに衝撃の、再会を果たす。それは学校の廊下だった。実は、ユキノはタカノの高校の古典教諭だった。ユキノは、3年の学生に、逆恨みを書かれ嫌がらせを受けていた。タカオはそれまで何も知らず、この再会はユキノが退職する日だった。その事実を知ったタカオは、問題の3年生に抗議をするも反省も無く殴り込みに行った。傷だらけになりながらも、庭園に行く。しかし、いつもの東屋にユキノの姿は、無かった。探しながら歩き回っていると、池の前に1人立っていた。タカオの顔を見て驚くユキノ。タカオは笑いながら、「鳴る神の 少し響みて 降らずとも 我は留まらん 妹し留めば」と話す。ユキノも笑顔になりながら話すも、傷に興味を隠せずに質問する。すると、タカオは真似して酒を飲んだらホームから落ちたと言う。ユキノはまた驚く。しかし、タカオは笑いながら「嘘です。俺も喧嘩くらいします」と素直に言った。すると、雷鳴と土砂降りが慌てて東屋に逃げ込む。しかし泳いだ後みたいに、ずぶ濡れだった。少し雨宿りした後、ユキノのマンションに入る。ユキノは濡れた服をアイロンで乾かし、タカオは料理を作る。食事を終えて、コーヒーを飲みながら、お互いに「今この瞬間が幸せ」と思う。そう思いながら、タカオはユキノに告白をする。しかし、ユキノは先生と生徒との距離を戻す。そして、タカオはすぐさまマンションを出る。部屋の中で1人思い出を噛み締めながら、ユキノ。そして、飛び出してタカオを追いかける。裸足で、雨で濡れたコンクリートに滑りながらも、走る。そして、階段の踊り場で外の景色を見ていた。タカオは、泣きながら嘘の怒りの罵声を吠える。そして、ユキノはタカオに抱きつく。その後ユキノは遠くに去っていき、先生をやっている。タカオは学校の期末試験。そして冬の雪の日、タカオは庭園に居た。一枚の手紙を、ユキノから送られてきた手紙を読んで、そして「いつか、会いに行こうと」

 

約1時間の短編映画だったけども、内容は濃い。単純に簡単なのに濃いと感じた作品でした。そして、羨ましい出会いのある作品だと思った。高校生がOLと仲良くなっていく。単純に良い、しかもそれが先生とは知らない間の禁断の恋をしている。勉強の為に、女性の足を触る。羨ましく思えてしまう。しかし、学校のサボり方が凄すぎる。庭園に行く高校生はなかなか居ない。まずサボるなら、ゲーセンや繁華街などに行く。しかも、雨の日に庭園には行かない。その他の人と違った考え方が、いい出会いを生むのかと思った。しかも、最初の立ち去り際に、話した短歌の伏線。伏線の意味はあるのだろうと感じていたが、まさか女性教師とまで行くとは。OLだと思い切り、他の先生と話していた時は、まさかの不倫で、サボっていたの?と感じた。「私の考え方が、甘いねぇ」

しかし、笑ったのは、ひと悶着を終えたあとの庭園で、2人が話している最中に、雷がなるとは!鳴神って言った後になると、笑えてきます。そして、ずぶ濡れになって東屋で過ごす瞬間の無音感、気がいって変に集中しちゃう感じの男の子やな(笑)。ユキノの部屋に行って幸せを感じたら告白。振られたら出ていき、罵声を言い返す。タカオくんカッコイイなぁと思い、抱き合う二人。これはハッピーエンドかと思いきや、離れ離れの文通の仲。ちょっとここは、ショックでしたね・・・悲しい。

 

そんなこんなの、「言の葉の庭」は、面白い作品だったと、私は思います。変な意味じゃないよ()。単純にわかりやすいのに、飽きさせなく面白い。


監督:新海誠

公開:2013年

上映時間:46分

ダウンロード.jpeg